よく日本のHIV/エイズ状況を説明するときに、先進国で唯一感染者が増えている国だと紹介します。私も時々、そのような表現を使うことがあります。
ただ最近、これが本当だろうか?と思うようになりました。それはHIV/エイズに関するニュースを見ていると、いろいろな国で陽性者の数が増えているという情報があるからです。
「スイス保険局は2008年7月、すでに感染者数の増加を予告していたが、今回の発表で、昨年からの増加傾向は今年も続くことが再確認された。スイスにおける感染者数は、2005年には722人だったが、2006年には762人、2007年には768人と増加し続けている。」
「中国衛生部「2007年のエイズ感染報告数は前年比45%増」」
「英国で2007年に新たにHIV(ヒト免疫不全ウイルス)を保有していると診断された人の数が、欧州の他国の2倍近くになっていることが調査で判明した。」
「米紙ワシントン・ポストによると、エイズの原因となるヒト免疫不全ウイルス(HIV)への感染率が、首都ワシントン(コロンビア特別区)で人口の3%に達した。同市衛生当局が公表したもので、2006年の調査時から感染者の増加率が22%に達した。同市HIV・エイズ担当のヘイダー主任は、「この感染率はアフリカ西部より高い」と指摘した。」
「HIV感染者増加の一方へ(ベルギー):2008年、ベルギーではHIVの感染者が新しく1078人もみつかった。ベルギー全体で、年間を通しこんなに多くの新しい感染者がみつかったのは初めての事である。」
「エイズ発病者・HIV感染者共に増加の傾向に(アイルランド):アイルランドで、2008年に新しくみつかったエイズ発病者は28人、そしてHIV感染者は400人以上にのぼった。これは2007年度より3.6%の増加である。」
これらのニュースを見て、皆さんはどう思いますか?
先進国という言葉をどのように理解するかにもよるでしょうけど、とても日本だけが増えていると感じではないような気がします。
確かに治療薬の進歩で亡くなる方は劇的に減りました。そのせいなのか、HIV/エイズが減りつつあると思っている人も多いようです。
いえ、世界では毎年何百万人も新たに感染しているのです。日本だけ増えているという表現は、しばらく使わないようにしたいと思います。
(M記)
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