神戸と大阪で、新型インフルエンザ感染者が急増し、イベント等が延期されたり学校が休校になっているようです。
この新型インフルエンザに関して、産経新聞特別記者の宮田一雄さんがBusiness i 紙に「治療提供を対策の基本に」というコラムを掲載しています。
この内容がとても共感できるので、そのまま紹介したいと思います。
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《新型インフルエンザ》 治療提供を対策の基本に 宮田一雄
メキシコに端を発した新型インフルエンザの流行は、日本でも空港の検疫で患者が確認されるなど世界に広がっている。新興感染症の世界的大流行(パンデミック)は、保健面だけでなく、社会・経済活動の観点からも大きな危機であり、WHO(世界保健機関)もいち早く警告を発し、各国に必要な対策を促した。
病原体は豚由来の新型ウイルスということで、油断はもちろんできないが、一方で救いもある。人の季節性インフルエンザのAソ連型と同タイプのH1N1型であり、弱毒性とされていることだ。かかった人の症状も季節性インフルエンザと同程度とみられている。
ただし、日本で冬場に流行する季節性インフルエンザでも、患者は毎年1000万人前後に達し、流行の規模が大きい年には1500万人を超えることもある。高齢者や病気などで免疫の力が衰えている人がかかると重症化しやすく、死者は少ない年で数千人、多い年には1万人を超える。ウイルスは弱毒性でも、感染がパンデミックのレベルに拡大すれば人的な被害は小さくない。
しかも、新型の感染症なので、社会的な対応も通常の季節性インフルエンザとは異なってくる。初期段階で有効な対策が取れるかどうかで、流行の規模は大きく変わってくるからだ。流行が拡大すれば社会的な影響もその分、大きくなる。
日本政府は空港での検疫など水際作戦で国内にウイルスが入るのを防ぐ対策に力を入れてきた。それ自体は流行初期の対策として妥当な選択だが、水際作戦もまた、感染した人の排除ではなく、可能な限り早い段階で治療を提供するためのものであることを忘れてはならない。
その結果、感染した人が早期に治療を開始できれば、本人には重症化を防げるというメリットがあるし、社会的にも他の人への感染の機会を遮断できることになる。
病気にかかった人に対する治療の提供を対策の大前提とすることは、重点が水際作戦から国内での人から人への感染の拡大防止策に移行した段階でも重要だ。感染症がもたらす危機は社会の力が試される機会でもある。体調がすぐれない人が安心して検査や治療を受けられる社会的な条件を整えることは予防対策上も重要な意味を持つ。この点はしっかりと認識しておく必要がある。
逆に、うっかり熱も出せないといった雰囲気が社会に広がれば、予防対策は困難になる。その点で、現在の発熱外来を通した診療は、サプライサイドの都合から考えたシステムであり、コンシューマーとしての患者のインセンティブは働きにくいような印象も受ける。
高熱にうなされながら、まず発熱相談センターに電話で「相談」し、自宅の近くに診療所はいくらでもあるのに、わざわざ遠く離れた指定医療機関を訪れる。これはかなりの負担ではないか。
新型とはいえ、病原性は通常の季節性インフルエンザとほぼ同程度、しかもインフルエンザ治療薬も有効ということなら、通常のインフルエンザと同様、近くの診療所で治療が受けられるようにした方が医療体制としては自然だろう。
院内感染の可能性を指摘する人もいるが、そもそも毎年冬の季節性インフルエンザ流行時の院内感染防止策がとられている医療機関なら十分にそれで対応できる。診療拒否の理由にはならない。各自治体や厚生労働省も幅広く医療機関からの報告を受けて流行状況を把握する方がはるかに対策として合理的である。
そもそも空港などの検疫による水際作戦や発熱外来による患者の仕分けといった対策は、流行の拡大を遅らせるための「時間稼ぎ」の色彩が強い。それでは「稼いだ時間」は何に使うのか。
ワクチンの開発ももちろん、重要な選択肢のひとつだが、今回のケースに即して言えば、大切なことは院内感染防止策の再徹底を含めた治療の提供体制を整え、それを感染の拡大防止策につなげることだろう。考えてみれば、毎年冬場には、行われていることである。
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「感染症がもたらす危機は社会の力が試される機会でもある。体調がすぐれない人が安心して検査や治療を受けられる社会的な条件を整えることは予防対策上も重要な意味を持つ。」という宮田氏のことばは、HIV/エイズでも同じことがいえると思います。同感ですね。
(M記)
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学校が休校なのに、カラオケは生徒で行列・・・という困った事態も起きています。カラオケルームの方が濃厚接触になるというのに・・・。
「弱毒性」であることで、あまり深刻ではないのかもしれませんが、周りにいるだれの免疫が下がっているかは判らないので、注意が必要ですよね? 「大阪に住む娘が、マスクが買えないから送って!と言うので薬局へ行ったら、抗ウイルスマスクはどこも品切れで困った。」と、今日昼食をともにしていたおばさまが嘆いていました。
店頭へのマスク補充もしてほしいものです。